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CORE LINKS · DESIGN GUIDES

吸着で物を持ち上げたい

吸着力が大きくても、持つ向きが変わると必要な確認も変わります。吸着面から離す力と、面に沿って滑らせる力を分けましょう。

左に法線方向の吸着保持、右に摩擦方向の保持を示す。法線吸着力・荷重・摩擦支持の矢印を区別。法線方向摩擦方向FnWΔpDFnFfW同じ差圧・面積でも、持つ向きで違う
左は水平な吸着面から上向きに保持、右は縦の吸着面で摩擦により保持する概念図です。Fnは吸着面に垂直な吸着力、Wは荷重、Ffは摩擦による支持です。

このガイドで分かること

  • 供給圧ではなく吸着面の差圧を見る
  • 法線方向と摩擦方向を区別する
  • 計算の余裕と実際の密着・漏れを区別する

青:入力条件の記号 / 赤:計算で求める量。図は概念図です。

  • Δp・D:差圧と有効吸着径
  • Fn:法線吸着力 / Ff:摩擦支持
  • W:重量と加速に必要な力

下の数値は説明用の例です。各例のボタンから、数値・単位・モードを計算画面へ読み込めます。通常の計算リンクは入力例を読み込みません。

有効面積と差圧を確認する

周囲の絶対圧と吸着部の絶対圧の差がΔpです。エジェクターへの供給圧をそのまま使いません。Dもパッド外径とは限らず、力を生む有効な吸着径を使います。

  • 実際の吸着部で得られる差圧と、周囲の絶対圧
  • 有効吸着径とパッド数、荷重が分かれる位置
  • 密着できる面か、穴・溝・粗さ・通気性がないか

理論法線力 Fn = Δp × nπD²/4

荷物を持つ向きを選ぶ

吸着面に垂直な荷重にはFnを、面に沿う荷重には摩擦によるμFnを基に比較します。向きを変えただけで同じ保持力を使うと、滑りを見落とします。

実務で確認を深める

この計算は各パッドの荷重分担が等しく、密着が維持される条件です。重心のずれ、剥がすモーメント、横方向の加速で分担が変わる場合は別の検討が必要です。Sやμに全ての影響をまとめて保証させないでください。

比較保持力:法線方向 Fn/S、摩擦方向 μFn/S / 必要力 W = m(g+a)

保持力と必要力の差を読む

Sは理論力を割り引く係数です。使用条件から決める値で、初期値は推奨値ではありません。差が正か負かと、採用できるかどうかを分けて確認します。

例:同じパッド条件で持つ向きを変える

入力する条件

  • D = 50 mm、パッド2個、Δp = 0.06 MPa
  • 周囲の絶対圧0.101325 MPa、m = 5 kg、a = 1 m/s²
  • S = 3、摩擦方向ではμ = 0.5(説明用の仮定)

計算結果

  • 理論法線力 Fn ≈ 235.619 N、必要力 W ≈ 54.033 N
  • 法線方向:比較保持力78.540 N → 差 +24.507 N
  • 摩擦方向:比較保持力39.270 N → 差 −14.763 N

摩擦方向では入力条件の必要力を満たしません。法線方向で差が正でも、実際の密着・漏れ・偏荷重・製品定格を確認していないため、安全に持てるという保証ではありません。S = 3は推奨値ではありません。

説明用の数値・単位・モードをまとめて読み込めます。開いた後で自分の条件に変更できます。

漏れ・応答・供給停止を確認する

実際には吸着してから負圧が立ち上がるまでの時間や、移動中の漏れ、パッドの変形も影響します。静止した時だけでなく、運転の各段階で実物を確認します。

  • 吸着・搬送・停止・解放の各段階と圧力の変化
  • 配管・弁・発生器の流量、漏れ、監視の応答
  • 重心の偏り、剥離、パッドの許容横力と変形
  • 供給停止時の保持・落下防止、周囲の人や設備の保護

確認したことをメモする

確認漏れを減らすためのメモです。チェック数で安全・合格を判定するものではありません。内容は送信・保存しません。

参考情報・参考計算です。設計への適合性・安全性を保証するものではありません。実際の材料、部品仕様、使用条件を確認してください。