水平な面を滑らせるときの力
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
荷物を水平な面の上で滑らせる例です。車輪の転がり抵抗とは違います。
質量m、摩擦係数μ、加速度aを入力します。水平なのでθ=0°です。
- 移動する質量 m
- 100 kg
- 進行方向の勾配 θ(下りは負)
- 0 °
- 動摩擦係数 μk
- 0.1
- 静摩擦係数 μs(始動用)
- 0.15
- 進行方向の加速度 a(減速は負)
- 0.2 m/s²
- 進行速度 v
- 0.5 m/s
- 駆動系の効率 η
- 80 %
- 駆動輪・ドラムの半径 r
- 50 mm
必要駆動力Fは摩擦の抵抗と加速分から求まります。始動時と走行中を分けて読みます。
- 走行中の必要駆動力 F(負は制動)
- 118.067 N
- 正方向へ動き始めるための力(加速分なし)
- 147.1 N
- 正方向駆動の必要入力動力
- 73.7916 W
A load slides along a level surface. This is not a rolling-resistance model.
Enter mass m, friction μ and acceleration a. Level travel has θ=0°.
- Moving mass m
- 100 kg
- Route slope θ (negative downhill)
- 0 °
- Kinetic friction coefficient μk
- 0.1
- Static friction coefficient μs (breakaway)
- 0.15
- Acceleration a (negative when decelerating)
- 0.2 m/s²
- Forward speed v
- 0.5 m/s
- Drive efficiency η
- 80 %
- Drive wheel / drum radius r
- 50 mm
Drive force F combines friction and acceleration. Read breakaway separately from running force.
- Required running drive force F (negative: brake)
- 118.067 N
- Positive breakaway force (excluding acceleration)
- 147.1 N
- Required positive-drive input power
- 73.7916 W
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
移動する質量 m何を入力する?対象物の質量です。必要に応じて一緒に動く治具や荷物も含めます。kgは質量、Nは力で、同じ量ではありません。 | 100 kg |
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進行方向の勾配 θ(下りは負)何を入力する?入力名の記号を図と照らし合わせ、対象の寸法・仕様・運転条件を確認します。例の数値は、自分の条件に置き換えます。 | 0 ° |
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動摩擦係数 μk何を入力する?接触面の摩擦力を、面に垂直な力に対する比で表す無次元の値です。μ=0.1なら、垂直荷重100 Nに対して摩擦力は10 Nという計算です。 静摩擦は動き始め、動摩擦は滑っている間の値です。材質名だけでは決まらず、潤滑・表面・速度・温度・シール抵抗などを確認します。表の比較値を材質の標準値として使わず、製品資料か実測の抵抗力÷垂直荷重で決めます。転がり案内の値を滑り面へ流用しません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 0.1 |
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静摩擦係数 μs(始動用)何を入力する?接触面の摩擦力を、面に垂直な力に対する比で表す無次元の値です。μ=0.1なら、垂直荷重100 Nに対して摩擦力は10 Nという計算です。 静摩擦は動き始め、動摩擦は滑っている間の値です。材質名だけでは決まらず、潤滑・表面・速度・温度・シール抵抗などを確認します。表の比較値を材質の標準値として使わず、製品資料か実測の抵抗力÷垂直荷重で決めます。転がり案内の値を滑り面へ流用しません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 0.15 |
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進行方向の加速度 a(減速は負)何を入力する?単位時間で速さがどれだけ変わるかです。進行方向に加速する向きと、減速する向きの符号を確認します。 | 0.2 m/s² |
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進行速度 v何を入力する?1秒などの時間に進む距離です。開始・終了・一定速度のどれを入力するか、欄の名前を確認します。 | 0.5 m/s |
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駆動系の効率 η何を入力する?入力のうち目的の出力に使える割合です。η=80%は0.8で、損失が20%という意味です。この計算では入力する単位が%かfractionかも確認します。 一律の推奨効率はありません。機器の負荷・速度・温度に対応する効率曲線や実測値を使います。複数機器をまとめる場合は同じ出力境界でηtotal=η1×η2…とし、既に総合値に含まれる損失を二重に掛けません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 80 % |
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駆動輪・ドラムの半径 r何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 50 mm |
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固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- 走行中の必要駆動力 F(負は制動)
- 118.067 N
- 正方向へ動き始めるための力(加速分なし)
- 147.1 N
- 正方向駆動の必要入力動力
- 73.7916 W
走行中は動摩擦、動き始める境界は静摩擦を使います。始動の値に加速分は含まれません。車輪の転がり抵抗を、滑り摩擦の欄に入れる計算ではありません。
4. どの式で求めている?
N = mg cosθ, F = ma + mg sinθ + μk N, Fstart = max(0, mg sinθ + μs N), Pdrive = Fv/η (F≥0), Pbrake = −Fv (F<0), Twheel = Fr
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
直線上を正方向へ走行し、駆動力は路面と平行に作用するモデルです。勾配は角度・rad・%を切り替えられます(5%は5°ではありません)。μは接触条件に合わせて入力し、このモデルではμs≥μkです。始動欄は静摩擦の境界で、加速分は含みません。走行中は動摩擦を使用します。駆動力が負なら正方向へ進むために制動が必要です。制動の回生効率は扱いません。車輪の転がり抵抗・空気抵抗・回転慣性・伝達比は別途。トルクは駆動輪での値で、モーター軸ではありません。
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。