ねじ面と座面の摩擦を分けて計算する
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
ねじ面の斜面と座面を、別々の摩擦として扱う計算です。
有効径dm・リードℓ・ねじ山角と、ねじ面・座面それぞれの摩擦を用意します。
- 計算する方向
- 軸力から正作動トルク
- 軸方向の力 F
- 1,000 N
- ねじの有効径 dm
- 10 mm
- リード(ピッチ×条数)
- 1.5 mm
- ねじ山の半角
- 30 °
- ねじ面の摩擦係数
- 0.15
- 座面の摩擦係数
- 0.15
- 座面の等価摩擦直径
- 15 mm
この例は軸力Fから締付け方向のトルクTを求めます。逆方向や緩める条件とは分けます。
- T · 正作動・締付け方向トルク
- 2.23897 N·m
- 計算する軸力
- 1,000 N
- リード角
- 2.7336 °
The calculation treats thread and bearing-face friction separately.
Prepare pitch diameter dm, lead ℓ, thread angle and separate thread and bearing friction.
- Calculation direction
- Axial force → raising/tightening torque
- Axial force F
- 1,000 N
- Thread pitch diameter dm
- 10 mm
- Lead (pitch × starts)
- 1.5 mm
- Thread half angle
- 30 °
- Thread friction coefficient
- 0.15
- Bearing/collar friction coefficient
- 0.15
- Equivalent bearing friction diameter
- 15 mm
This example converts axial force F to tightening torque T. Keep loosening and reverse conditions separate.
- T · Raising / tightening torque
- 2.23897 N·m
- Calculated axial force
- 1,000 N
- Lead angle
- 2.7336 °
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
計算する方向何を入力する?自分の機構と図の条件が一致する選択肢を選びます。方式を変えると、必要な入力や読む結果も変わります。 | 軸力から正作動トルク |
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軸方向の力 F何を入力する?押す・引く作用の大きさです。Nなどの力の単位で入力します。質量kgを入力する欄ではありません。 | 1,000 N |
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ねじの有効径 dm何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 10 mm |
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リード(ピッチ×条数)何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 1.5 mm |
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ねじ山の半角何を入力する?入力名の記号を図と照らし合わせ、対象の寸法・仕様・運転条件を確認します。例の数値は、自分の条件に置き換えます。 | 30 ° |
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ねじ面の摩擦係数何を入力する?ねじ山の接触面に作用する滑り摩擦係数です。トルク係数Kとは別の値です。 潤滑、ねじとナットの組合せ、表面処理で変わります。メーカーは資料の範囲を超える場合もあるとしています。一般のボルトや全ての送りねじへ一律適用しません。座面の係数は別欄で指定します。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 0.15 |
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座面の摩擦係数何を入力する?ねじ頭やナットの座面で滑るときの摩擦係数です。ねじ面のμとは別に、座面径と組み合わせて摩擦トルクを計算します。 表は試算用で、材料ごとの推奨値ではありません。座面の表面処理、潤滑、ワッシャー、再使用条件に合う試験値・指定値を使います。トルク係数Kをこのμへ転記しません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 0.15 |
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座面の等価摩擦直径何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 15 mm |
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固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- 正作動・締付け方向トルク
- 2.23897 N·m
- 計算する軸力
- 1,000 N
- リード角
- 2.7336 °
この例では軸力1,000 Nを入力して締付け方向のトルクを求めます。逆算するときは計算方向を切り替え、同じ摩擦・寸法条件で比較します。
4. どの式で求めている?
λ = atan(ℓ/(πdm)); μ′ = μ/cosα; cT = (dm/2)tan(λ+atanμ′)+μbDb/2; T = F cT; Tlower = F[(dm/2)tan(atanμ′−λ)+μbDb/2]
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
準静的なねじ面摩擦モデル。リードは多条ねじではピッチと異なります。ボールねじの転がり効率モデル、経験的トルク係数Kによる締付け軸力とは別です。座面の等価径と摩擦係数は実条件で指定。
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。