倒れる条件と、滑る条件を分ける
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
背の高い物を横から押す例です。転倒と滑りは別々に確認します。
Bは接地幅、hcは重心高さ、hは力をかける高さです。全高と混同しません。
- 対象全体の質量 m
- 100 kg
- 検討方向の接地幅 B
- 600 mm
- 接地中央から重心まで x(右が正)
- 0 mm
- 床から重心までの高さ hc
- 1,000 mm
- 床に平行な横荷重 F(右が正)
- 200 N
- 横荷重の作用高さ h
- 1,200 mm
- 床の角度 θ(右上がりが正)
- 0 °
- 静摩擦係数 μ(入力例)
- 0.3
接地端の反力とモーメントの余裕を読みます。反力が負の側は、接地を保てない計算条件です。
- 転倒モーメントの余裕(負は浮上り)
- 54.1995 N·m
- 静摩擦力の余裕(負は滑り境界超え)
- 94.1995 N
- RL · 左端の鉛直反力(床に垂直)
- 90.3325 N
A sideways force acts on a tall object. Check tipping separately from sliding.
B is footprint width, hc centroid height and h force height, rather than overall height.
- Total mass m
- 100 kg
- Footprint width in the checked direction B
- 600 mm
- CG offset x from footprint centre (right positive)
- 0 mm
- CG height above floor hc
- 1,000 mm
- Force parallel to floor F (right positive)
- 200 N
- Lateral-force height h
- 1,200 mm
- Floor slope θ (rising right positive)
- 0 °
- Static friction coefficient μ (example)
- 0.3
Read support reactions and moment margin. Negative reaction means that side cannot maintain contact in this model.
- Tipping moment reserve (negative: uplift)
- 54.1995 N·m
- Static friction reserve (negative: exceeded)
- 94.1995 N
- RL · Left normal reaction
- 90.3325 N
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
対象全体の質量 m何を入力する?対象物の質量です。必要に応じて一緒に動く治具や荷物も含めます。kgは質量、Nは力で、同じ量ではありません。 | 100 kg |
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検討方向の接地幅 B何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 600 mm |
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接地中央から重心まで x(右が正)何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 0 mm |
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床から重心までの高さ hc何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 1,000 mm |
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床に平行な横荷重 F(右が正)何を入力する?押す・引く作用の大きさです。Nなどの力の単位で入力します。質量kgを入力する欄ではありません。 | 200 N |
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横荷重の作用高さ h何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 1,200 mm |
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床の角度 θ(右上がりが正)何を入力する?入力名の記号を図と照らし合わせ、対象の寸法・仕様・運転条件を確認します。例の数値は、自分の条件に置き換えます。 | 0 ° |
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静摩擦係数 μ(入力例)何を入力する?接触面の摩擦力を、面に垂直な力に対する比で表す無次元の値です。μ=0.1なら、垂直荷重100 Nに対して摩擦力は10 Nという計算です。 静摩擦は動き始め、動摩擦は滑っている間の値です。材質名だけでは決まらず、潤滑・表面・速度・温度・シール抵抗などを確認します。表の比較値を材質の標準値として使わず、製品資料か実測の抵抗力÷垂直荷重で決めます。転がり案内の値を滑り面へ流用しません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 0.3 |
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固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- 転倒モーメントの余裕(負は浮上り)
- 54.1995 N·m
- 静摩擦力の余裕(負は滑り境界超え)
- 94.1995 N
- 左端の鉛直反力(床に垂直)
- 90.3325 N
転倒モーメントの余裕と静摩擦の余裕は別の結果です。反力が負になる側は、接地を維持できない計算結果です。実際の接地端間と重心を入力します。
4. どの式で求めている?
N=mg cosθ; M=mg cosθ·x−mg sinθ·hc+Fh; xR=M/N; RL=N/2−M/B; RR=N/2+M/B; friction demand=|F−mg sinθ|.
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
検討する鉛直断面内の剛体・準静的なつり合いです。Bは外形幅ではなく実際の接地端間です。重心位置xと高さhcは床の座標系で指定します。負の反力は接地を保てない計算結果です。転倒と滑りを別々に表示し、転倒後・滑走後の挙動、衝突、地震応答、アンカー、キャスター、床のたわみは計算しません。奥行き方向も別に確認します。
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。