滑車で力を減らすと、引く距離はどうなる?
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
上の固定滑車と下の動滑車を見分けます。荷物を支えているロープはこの例では2本です。
mは荷物と動滑車の合計です。nは滑車の個数ではなく、支えるロープの本数です。
- 荷と動滑車を合わせた質量 m
- 100 kg
- 荷を支えるロープ本数 n(1・2・4)
- 2
- 滑車系全体の効率 η
- 90 %
- 荷の上昇距離 h
- 1,000 mm
- 荷の上昇速度 v
- 0.1 m/s
- 荷の上向き加速度 a
- 0 m/s²
引く力が減る分、引くロープは長くなります。荷がh上がると、この例のロープは2h動きます。
- Fpull · 引く力(損失込みの概算)
- 544.814 N
- 引くロープの移動量
- 2,000 mm
- 引くロープの速度
- 0.2 m/s
Distinguish the top fixed pulley and lower moving block. Two rope strands support the load here.
m includes the load and moving block. n counts supporting strands, not pulley wheels.
- Mass of load and moving block m
- 100 kg
- Supporting rope strands n (1, 2 or 4)
- 2
- Overall reeving efficiency η
- 90 %
- Load lift distance h
- 1,000 mm
- Load upward speed v
- 0.1 m/s
- Load upward acceleration a
- 0 m/s²
Reduced effort requires more rope travel. Raising the load by h moves 2h of rope in this example.
- Fpull · Pulling force including estimated loss
- 544.814 N
- Rope pulling distance
- 2,000 mm
- Rope pulling speed
- 0.2 m/s
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
荷と動滑車を合わせた質量 m何を入力する?対象物の質量です。必要に応じて一緒に動く治具や荷物も含めます。kgは質量、Nは力で、同じ量ではありません。 | 100 kg |
|---|
荷を支えるロープ本数 n(1・2・4)何を入力する?入力名の記号を図と照らし合わせ、対象の寸法・仕様・運転条件を確認します。例の数値は、自分の条件に置き換えます。 | 2 |
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滑車系全体の効率 η何を入力する?入力のうち目的の出力に使える割合です。η=80%は0.8で、損失が20%という意味です。この計算では入力する単位が%かfractionかも確認します。 一律の推奨効率はありません。機器の負荷・速度・温度に対応する効率曲線や実測値を使います。複数機器をまとめる場合は同じ出力境界でηtotal=η1×η2…とし、既に総合値に含まれる損失を二重に掛けません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 90 % |
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荷の上昇距離 h何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 1,000 mm |
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荷の上昇速度 v何を入力する?1秒などの時間に進む距離です。開始・終了・一定速度のどれを入力するか、欄の名前を確認します。 | 0.1 m/s |
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荷の上向き加速度 a何を入力する?単位時間で速さがどれだけ変わるかです。進行方向に加速する向きと、減速する向きの符号を確認します。 | 0 m/s² |
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固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- 引く力(損失込みの概算)
- 544.814 N
- 引くロープの移動量
- 2,000 mm
- 引くロープの速度
- 0.2 m/s
支持するロープ本数が増えると理想の引く力は減りますが、必要なロープの移動量は増えます。本数は図の支持ロープを数え、滑車の個数と混同しません。
4. どの式で求めている?
Fload = m(g+a), Fpull = Fload/(nη), srope = nh, vrope = nv, Pin = Fpull vrope
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
図の1・2・4本支持の鉛直吊上げを想定します。nは滑車の個数ではなく、動く荷を支えるロープ本数です。各支持ロープは平行で、伸びず滑らない理想の幾何です。ηは滑車系全体の効率で、各滑車の効率ではありません。aは瞬時の上向き加速度で、a>−gが必要です。定滑車の支持荷重・ロープ強度・軸受・動荷重係数・ブレーキ保持力を選定する計算ではありません。
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。