止まった物を、決めた時間で回すには?
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
モーター側と負荷側を区別します。間に減速機があると、回転数と慣性の換算が必要です。
Jload・TLは負荷側、Jm・nはモーター側です。速度比iと効率ηを別に指定します。
- 出力軸側の負荷慣性 Jload
- 0.02 kg·m²
- モーター軸側の合計慣性 Jm
- 0.001 kg·m²
- 速度比 i = モーター速度 / 負荷速度
- 5
- 減速機の正駆動効率 η
- 90 %
- 出力軸側の定常抵抗トルク TL
- 10 N·m
- 到達モーター速度 n
- 1,500 rpm
- 停止からの加速時間 t
- 1 s
モーター軸の定常分と加速分を足します。この値だけでは、減速・発熱・保持まで確認できません。
- 加速中の合計トルク
- 2.51893 N·m
- 定常抵抗分のトルク
- 2.22222 N·m
- 慣性を加速するトルク
- 0.296706 N·m
Distinguish motor and load sides. A reducer changes the speed and inertia relationship.
Jload and TL belong to the load side; Jm and n to the motor side. Enter ratio i and efficiency η separately.
- Load inertia at output shaft Jload
- 0.02 kg·m²
- Total input-side inertia Jm
- 0.001 kg·m²
- Speed ratio i = motor speed / load speed
- 5
- Forward gearbox efficiency η
- 90 %
- Steady resisting torque at output TL
- 10 N·m
- Final motor speed n
- 1,500 rpm
- Acceleration time from rest t
- 1 s
Add steady and acceleration torque at the motor shaft. This alone does not check braking, heating or holding.
- Total torque during acceleration
- 2.51893 N·m
- Steady motor torque
- 2.22222 N·m
- Acceleration torque
- 0.296706 N·m
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
出力軸側の負荷慣性 Jload何を入力する?回す対象物の「回しにくさ」です。負荷側の軸を基準に、形・寸法・質量から慣性の計算で求めます。 | 0.02 kg·m² |
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モーター軸側の合計慣性 Jm何を入力する?モーターの回転子と入力側で一緒に回る部品の慣性を合計します。負荷側の慣性をここへ重複して加えません。 | 0.001 kg·m² |
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速度比 i = モーター速度 / 負荷速度何を入力する?モーターの回転数を負荷の回転数で割った値です。i=5なら、モーター5回転で負荷が1回転します。 | 5 |
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減速機の正駆動効率 η何を入力する?入力のうち目的の出力に使える割合です。η=80%は0.8で、損失が20%という意味です。この計算では入力する単位が%かfractionかも確認します。 一律の推奨効率はありません。機器の負荷・速度・温度に対応する効率曲線や実測値を使います。複数機器をまとめる場合は同じ出力境界でηtotal=η1×η2…とし、既に総合値に含まれる損失を二重に掛けません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 90 % |
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出力軸側の定常抵抗トルク TL何を入力する?一定速度でも必要な、負荷側の抵抗トルクです。加速に必要なトルクは慣性から別に求めるので、ここへ二重に足しません。 | 10 N·m |
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到達モーター速度 n何を入力する?1分間に何回転するかなどの速さです。rpmは毎分の回転数で、角度そのものではありません。 | 1,500 rpm |
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停止からの加速時間 t何を入力する?この動きや工程にかける時間です。秒・分などを選び、片道と往復、運転時間と停止時間を区別します。 | 1 s |
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固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- 加速中の合計トルク
- 2.51893 N·m
- 定常抵抗分のトルク
- 2.22222 N·m
- 慣性を加速するトルク
- 0.296706 N·m
定常抵抗分と加速分を足した値が、加速中のトルクです。これはモーター軸の値です。負荷側のトルクと比べる前に、減速比と効率を確認します。
4. どの式で求めている?
Jref = Jload/i²; α = ω/t; T = TL/(iη) + (Jm + Jref/η)α
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
停止から一定角加速度で正方向へ加速する理想モデルです。Jmにはローター・入力側回転部を含めてください。TLに加速トルクを重複加算しないでください。減速・逆駆動・RMS・熱容量・トルク速度特性・ブレーキ保持は扱いません。表示値だけでモーターを選定できません。
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。