細長い柱は、材料がつぶれる前に曲がることがある
技術計算(試験公開)
図の条件を確認し、入力例と結果を順番に見ていきましょう。数値を変更する操作は計算画面で行います。
1. 図で、何を調べるか確認する
細長い柱を軸方向に押すモデルです。端部の拘束は係数Kで表します。
Lは部材長さです。曲がる方向のI・断面積A・材料Eを確認します。
- 柱の長さ L
- 4,000 mm
- 有効長さ係数 K
- 1
- ヤング率 E
- 200 GPa
- 検討する主軸まわり I
- 4,166,670 mm⁴
- 断面積 A
- 5,000 mm²
- 材料の降伏応力(比較用)
- 235 MPa
破線は座屈のイメージで、変形量の予測ではありません。Pcrは理論値で許容荷重ではありません。
- Euler理論座屈荷重 Pcr
- 514.042 kN
- 理論座屈応力
- 102.808 MPa
- 細長比 KL/r
- 138.564
A slender column is compressed axially. K represents end restraint.
L is member length. Check I for the buckling direction, area A and material E.
- Column length L
- 4,000 mm
- Effective length factor K
- 1
- Young’s modulus E
- 200 GPa
- I about the checked principal axis
- 4,166,670 mm⁴
- Area A
- 5,000 mm²
- Yield stress for applicability check
- 235 MPa
The dashed buckle is illustrative, not a deflection prediction. Pcr is theoretical critical load, not allowable load.
- Euler theoretical critical load
- 514.042 kN
- Theoretical critical stress
- 102.808 MPa
- Slenderness KL/r
- 138.564
青は入力、赤橙は結果です。図は以下の固定の入力例を説明する模式図です。寸法や変形の比率を実物どおりに再現したものではありません。2. 入力する値の例
柱の長さ L何を入力する?図の記号が示す部分の寸法を入力します。半径と直径、内径と外径、部材全長と支持間隔を区別します。 | 4,000 mm |
|---|
有効長さ係数 K何を入力する?柱の実長Lを有効座屈長さLe=KLへ換算する係数です。理想的な端部の回転・横移動の拘束で決まります。 表は理論値です。実際の固定剛性・接合部・横移動を確認し、採用する設計規準の係数を使います。ボルトで留まっているだけで「完全固定」とは限りません。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 1 |
|---|
ヤング率 E何を入力する?Eは引張・圧縮、Gはせん断の変形しにくさを表す弾性係数です。降伏強さ・許容応力とは別です。 実際の材料規格・温度・方向に対応する値を使います。表は比較用で、材料選定値ではありません。等方弾性体ではG=E/[2(1+ν)]なので、別々の資料を使う場合も整合を確認します。 数値は接触・潤滑・温度などの条件に合わせて決めます。この表の初期値は入力例です。 | 200 GPa |
|---|
検討する主軸まわり I何を入力する?曲げや座屈の変形に関係する、断面の形の値です。曲がる軸に合わせ、断面の計算から求めます。 | 4,166,670 mm⁴ |
|---|
断面積 A何を入力する?図の断面や面の面積です。穴を除くか、有効面積かなど、計算で使う範囲を確認します。 | 5,000 mm² |
|---|
材料の降伏応力(比較用)何を入力する?比較に使う応力の基準です。降伏応力と許容応力は同じではなく、材料の状態と使用条件・安全率などに合わせます。 | 235 MPa |
|---|
固定の説明例です。係数・物性値・比較基準は推奨条件ではありません。自分の条件は計算画面で入力します。
3. この例の計算結果
- Euler理論座屈荷重 Pcr
- 514.042 kN
- 理論座屈応力
- 102.808 MPa
- 細長比 KL/r
- 138.564
最初の値はEulerの理論座屈荷重です。許容荷重ではありません。この例は長さ4,000 mmとし、理論座屈応力が入力した降伏応力より低い条件を使います。
4. どの式で求めている?
Pcr = π² E I / (K L)², r = √(I/A)
表の単位のまま式へ代入できるとは限りません。計算画面では、選んだ単位を内部の基準単位へ換算して計算しています。
この計算で扱う条件・含まれないもの
真直ぐな均質・一定断面の細長い柱の弾性理論です。Kは実際の拘束条件から決めます(理想ピン・ピン1、固定・自由2、固定・固定0.5、固定・ピン約0.699)。最弱主軸と両方向の拘束を確認してください。降伏応力以上では弾性式は適用できません。初期たわみ・局部座屈・非弾性座屈・許容荷重は扱いません。
材料や断面の値が分からないとき
材料の物性値を確認する →
形から断面の値を求める →
「この入力例を計算で試す」は例の数値を読み込みます。「自分の条件を入力する」は計算画面を通常どおり開きます。